スマートビルディングから始まるグローバルエネルギー変革
9/4/2025
背景
中国のエネルギー消費は、主に「産業」「運輸」「建築」の3大分野に集中しています。そのうち、建築(建設)セクターからの炭素排出量は全体の約20%を占めており、他の先進国と比較するとまだ低い水準にとどまっています。しかし、建築分野が2030年までに掲げる炭素排出目標を達成するためには、テクノロジーと政策の融合が不可欠です。新築プロジェクトにおけるエネルギー消費の改善、建物への再生可能エネルギーの大規模な導入、既存建物の省エネ改修、そして農村部における建築物の省エネ化を進めることで、これらすべての脱炭素目標を達成することができます。
2017年に設立された南京能控社は、中国における建設エンジニアリング向けのリーディングITイノベーション・サービスプロバイダーを目指し、グリーンビルディング(環境配慮型建築)をコアビジネスとして、スマート技術を活用した建物のスマートエネルギー管理ソリューションを提供しています。
システム要件
現在、南京能控社のビジネスの大部分は、公共建築物プロジェクトのスマート化(デジタル変革)が占めています。中国政府は環境保護、省エネ、および排出削減(省エネ・減排)を極めて重視しており、この課題を強調する明確な政策やガイドラインを打ち出しています。これに伴い、地方自治体も政策を発令し、管轄地域内の中央企業や地方国有企業に対し、新たな商用オフィスを建設する際にはスマートビルディングの建設を推進するよう義務付けています。
導入製品
- WISE-EdgeLink:デバイスからクラウドへのシームレスなデータ転送をサポートするIoTゲートウェイソフトウェア。
- ECU-1051:産業用通信ゲートウェイ。
システム概要
近年、南京能控社とアドバンテックは技術レベルでの深い協業を行っており、アドバンテックのスマートビルディング管理プラットフォーム「iBuilding」を活用して、顧客にカスタマイズされたエネルギー管理ソリューションを提供しています。
iBuildingは、アドバンテックが数十年にわたり培ってきた豊富な経験をもとに開発されたスマートビルディング管理ソリューションです。商業パーク、ショッピングセンター、医療機関など、多様な施設に最適です。建物内の異なる各種サブシステムを同一のユーザーインターフェイスに統合し、人工知能(AI)、デジタルツイン、リモート運用・保守(O&M)などの最先端スマート技術を活用することで、ビル管理者やユーザーに対して、より洗練された運用・保守の意思決定支援を提供します。
今回のビルエネルギー管理ソリューションにおいて、南京能控社はアドバンテックと共同でクラウドベースのエッジSRP(ソリューション・レディ・パッケージ)を構築しました。これにより、新築された26階建ての人民法院(裁判所)庁舎をインテリジェントに監視・管理し、エネルギー消費分析、防火・消防管理、設備資産管理、HVAC(空調)管理、コンピュータルーム管理などを包括的に実現しています。
具体的には、IoTゲートウェイ「ECU-1051」とエッジソフトウェア「WISE-EdgeLink」を使用して、Modbus/TCPプロトコル経由でPLCからデータを収集します。このデータは4G回線を経由し、MQTTプロトコルを用いてクラウドプラットフォームに送信されます。また、エッジサーバ「HPC-7282」を使用してプライベート環境を構築することで、データの高い安全性と信頼性を担保しています。
アドバンテックのスマートビルディング管理プラットフォーム「iBuilding」を介して、設備ライフサイクル管理(ELM)、BEMSビルエネルギー管理、およびスマートセキュリティ管理システムを統合。受配電設備、HVAC(空調)システム、エレベーター、防火設備、給水設備、および入退室管理システムをリアルタイムに監視・一元管理することで、不要なエネルギーコストのドラスティックな削減に成功しました。
システム構成図

まとめ
長期的な視点で見ると、データ駆動型の管理はあらゆる業界の将来の発展において逆戻りすることのない世界的なトレンドであり、スマートシティの形成はこれらインテリジェントシステムの統合に基づいています。 アドバンテックは、スマートビルディングのデベロッパー、インテグレーター、およびオペレーター向けに、基礎となる基盤技術を構築・提供することを目指しています。産業用クラウドプラットフォーム「WISE-PaaS」は、スマートシティの構築を強力に支援し、スマートエネルギーの広大なエコシステム全体の統合に大きく貢献しています。