石炭化学処理プロジェクト向け産業用テレビ監視システム
05-10-2022

背景
陝西煤業化工集団(Shaanxi Coal and Chemical Industry Group)は、同種のものとしては世界最大規模となる石炭化学プロジェクトを建設しました。本プロジェクトでは、原炭の熱分解や水素化などのプロセスを経て、高付加価値素材やバッテリー電解液、生分解性プラスチック、特殊石油製品などの最終製品を生産します。この巨大プラントの運用にあたり、生産管理および安全監視を目的としたテレビ監視システムの導入が不可欠となりました。同システムでは、各生産ユニットや共有スペース、管理棟などにビデオカメラを設置。撮影された映像は、産業用ギガビット光メディアコンバーターと独自のビデオ専用LANを介してデジタル信号で中央制御室へとアップロードされ、一括でのリアルタイム監視およびデータ保存が行われます。
システム要件
- 主な監視対象は、主要な生産エリア、出入り口、プラントの外周、主要幹線道路、その他の重要拠点に及びます。
- プラント内には、固定式バレット型ネットワークカメラ、高速ドーム型ネットワークカメラ、PTZ (パン・チルト・ズーム) ネットワークカメラ、スマート警告カメラなど、多種多様な監視機器が配備されました。そのため、システムには異なる種類のカメラからの信号を確実に受信・伝送できる柔軟性が求められました。さらに、最高水準の安定性と信頼性を確保するため、信号の伝送にはGbE (ギガビットイーサネット) が採用されています。
- 敷地の広大さと監視拠点の多さを考慮し、コスト、メンテナンス性、予備部品の調達のしやすさを総合的に評価した結果、各映像信号に固有のIPアドレスを割り当てるIPベースのデジタル監視ソリューションが最適であると判断されました。しかしその一方で、各拠点から中央制御室までの距離が非常に離れていることが、カメラと制御室をいかに接続するかという大きな課題となっていました。
導入製品
- IMC-370I-SFP:産業用小型メディアコンバータ (1000Mbps, SFPスロット搭載)
- EKI-2725FI:4ポートGbE+1ポート SFP アンマネージドイーサネットスイッチ
- IMC-318I:堅牢な集中電源メディアコンバータシャーシ, ラックマウント, 18スロットシャーシ
システムの概要
採用されたソリューションは、「アクセス層」「集約層」「コア層」の3層からなるスター型ネットワーク構造で、各層はイーサネットによって相互に接続されています。カメラを備えた各エンド端末は、監視や実作業が行われる現場に配置され、それぞれセキュリティ監視専用のネットワークに接続されました。
アクセス層における高解像度ネットワークカメラからの入力信号は、カメラのハウジング(格納筐体)内に設置されたアドバンテックの小型・高耐久メディアコンバータ「IMC-370I-SFP-A」およびアンマネージドイーサネットスイッチ「EKI-2725FI-AE」によって受信されます。そこから送信された信号は、中央制御室に設置されたアドバンテックの電源集中供給型・産業用メディアコンバータシャーシ「IMC-318I-US」に集約。このシャーシは、各コンバーターへの電源供給という重要な役割も担っています。これにより、フルスイッチングおよびデータ直接保存を可能にする、IPベースのビデオ監視システム専用LAN(監視ネットワーク)が構築されました。さらに、各監視エリアからの映像データは中央制御室の統合管理・ストレージプラットフォームへと接続され、すべてのシステム機器の一元管理を実現。各拠点間の物理的な距離に関わらず、広大なプラントにおける安全な労働環境の確保を可能にしました。この優れた設計がもたらす主なメリットは以下の通りです。
- 確実な一元管理と迅速な緊急対応の実現
すべての中央制御室で監視システムを一括して監視・制御できる体制を確立。これにより、必要に応じた迅速な初期対応が可能になります。さらに、映像データが1カ所に集約されるため、データの適切な管理と保護も容易になります。
- 広大なプラントをカバーする高速・長距離通信
大容量・長距離伝送に優れた光ファイバ通信を採用。網羅的な監視を行うために多数のカメラが配置された広大なプラント内において、最適な映像伝送ソリューションとして機能します。
- 最高水準の信頼性とデータ伝送能力
IPベースのGbE接続を導入したことで、極めて高い通信の安定性と、高解像度映像にも耐えうる優れたデータ伝送能力を実現しています。
イーサネットスイッチ「EKI-2725FI」シリーズは、1台で複数のカメラからの入力信号を効率的に処理できます。これにより、プラントの規模拡大や監視エリアの追加など、将来的なシステムの拡張にも柔軟かつ容易に対応が可能です。
システム構成図

まとめ
本システムは、産業現場における安全性向上とセキュリティ強化を目的に構築された、テレビ監視・モニタリングシステムの先進的なモデルケースです。主要エリアを網羅するネットワークカメラの配備、そして光メディアコンバータ、GbE、イーサネットスイッチ、メディアコンバータシャーシで構成された堅牢な専用LANによる中央制御室への確実なデータ伝送。これらを組み合わせることで、極めて頑強で制御しやすく、将来の拡張性も備えた包括的な監視システムを実現しました。アドバンテックのソリューションは、人命の安全と企業の貴重な資産の保護を、最高水準で両立させ続けます。
アドバンテックが選ばれる理由
- アドバンテックは、1対1の光コンバータや多対1の光コンバータ、電源集中供給型メディアコンバーターシャーシ、オプションのSFP(Small Form-factor Pluggable)モジュールにいたるまで、幅広いメディアコンバータ製品を提供し、お客様のフルギガビットネットワーク伝送ソリューションを強力にサポートしています。さらに、すべての光コンバータ製品は過酷な工業環境や屋外への設置に適した堅牢な設計を誇り、-40℃~75℃までの極端な温度環境下でも安定して動作します。
- IMC-370シリーズのメディアコンバータは、小型かつコンパクトな設計を特長としており、カメラのハウジング(格納筐体)内部へ直接設置することが可能です。
- 電源集中供給型メディアコンバータシャーシ「IMC-318」シリーズは、最大18スロットに対応し、光変換モジュールへの一元的な電源供給を実現します。さらに、その優れた設計により、複雑な配線ケーブルをすっきりと整理・管理することが可能です。
- また、EKI-2725FIシリーズは、1台で複数のカメラからの入力信号を効率的に処理できるため、システムの優れた拡張性を担保します。