ヘリコプターへのボード組込み事例ーSOM-9590 COM-Express
2020/09/07
陸上と空中で使用する戦術用コンピュータの設計と製造に長年の経験を持つ世界トップ10のミリタリー・ソリューションプロバイダーであるB社は、拡張温度対応、はんだ付けメモリ&SDD（オンボード）、超高性能コンピューティングを備えたヘリコプターコンソール用システムの開発を試みていました。
また、このシステムに地図ベースのオペレーター・インターフェース、高度なセンサーマネジメント、自律制御機能にくわえて、ビデオ分析、ミッション記録、ジョイスティック操作などのパイロット向けの高度な機能の実装を予定していました。
ヘリコプターのような機械的制限と過酷な動作環境に置かれるモジュールは、スリムなフォームファクタ、はんだ付け（オンボード）設計、幅広い動作温度対応（-40～85 °C、104～185 °F）などが要件となります。
B社は自身の顧客から短期スケジュールで、厳格なテストに耐えられるエンドユーザ向けの評価サンプルを提供するよう求められていました。そのため、B社は上記の要件を備え、容易なメンテナンスと将来における性能のアップグレードに対応可能なCOM Express規格のコンピュータ・オン・モジュールの利用を検討しました。
ミリタリー仕様のデバイスは、高耐久設計および動作信頼性が必要不可欠であり、最先端のものづくり・プロセスを維持し、ミリタリー規格の認証試験を通過することで、安定した動作を保証できなければなりません。
ソリューション – SOM-9590
B社は、過酷な動作環境下でも機能する設計要素を備えたAdvantechのCOM Express Type 7モジュール「SOM-9590」を採用しました。
「SOM-9590」はプロセッサ、DDR4メモリ、SSDストレージなどの全てのパーツが、ハイ・インダストリアル・グレードの基準を満たしており、オンボード設計で、ミリタリー規格「MIL-STD-810G」の認証を取得し、ヘリコプター・アプリケーションの過酷な環境に対応できます。
さらに、最大7.7Grms（最大振動加速度）（Method 514.7C-4）の振動に耐え、高度15,240 m（50,000フィート）（Method 500.6手順2）、幅広い温度範囲（-40〜85°C/104〜185°F）で動作します。
「SOM-9590」は、IPC-A-610G（はんだ付けを含む、電子組立品品質の国際基準）のClass3（最高品質）の認定を受けており、ミッションクリティカルなアプリケーションに対する製品品質を保持するものと、IPC (米国電子回路協会）によって定義されています。
SOM-9590の特長
スリムなフォームファクタで高性能を発揮
- TDP 35WのIntel® Xeon® プロセッサD1539
- iManager, WISE-PaaS,組込みソフトウェアAPI
- 10.3ｍｍ（0.4インチ）のロープロファイルモジュール
優れた帯域幅とコネクティビティ
- 構成変更可能なPCIe (Gen3)x16、 x8、 PCIe (Gen2)： x1（7ポート）
- 2x 10GBASE-KRインターフェースと1000BASE-T
- USB 3.0/2.0, SATA III, UART, GPIO, I²C
極限環境でも常時ノンストップで稼働
- オンボードECCメモリとSATA SSDストレージ
- MIL-STD-810Gミリタリー規格認証取得
- IPC-A-610G製造工程Class３の認証取得
アドオンサービス
- オンボードコーティングサービス
- ミリタリープログラムに適した長寿命（７～15年以上）
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