台湾の水道機器生産ラインにおけるスマートファクトリー化
2020/04/27
プロジェクト概要
近年、世界最大手の亜鉛合金製蛇口部品メーカーは、スマート製造への移行を積極的に進めており、台湾・台中にスマートファクトリーを設立するために50億台湾ドルを投資しました。この取り組みにより、同社はハードウェアの製造プロセスをアップグレードし、製品やサービスの多様化を推進しています。また、同社はOEMから製品の設計から製造まで一貫して行うODMサービス企業へと変革し、デジタルトランスフォーメーションの過程で、十分な柔軟性を持つ制御システムを必要としていました。既存のコントローラやロボットアームと連携し、実行状況を管理システムに即時にフィードバックすることが求められました。さらに、設備スペースの制約も最新機器コンポーネントの選定に影響を与えました。こうした多様なニーズをすべて満たすため、主要ハブとしてアドバンテックのAMAX-5000コントローラが選ばれました。
システム要件
従来の産業用PCはスペースを占有し、I/Oの拡張性や柔軟性に欠けており、標準のコントローラではスマート工場に求められる高いデータ転送能力や帯域幅を満たすことができませんでした。そのため、顧客はPCの利点を維持しながら、大容量データの処理が可能な新しい統合制御システムの導入を検討し、オープンアーキテクチャを採用してデバイスやコンポーネントを統合することを望みました。システムの通信には、下層部でEtherCATやFieldbusプロトコル、制御層でIEC-61131-3 Softlogic、上層部でOpen Database Connectivity(ODBC)やOPC Unified Architecture(OPC UA)といった通信プロトコルが使用され、将来的には特定のメーカーに依存せず、自社で技術を維持・運用できることが保証されます。
システム概要
AMAX-5580 PACシステムは、CODESYSソフトロジックを搭載した主要なコントローラで、製造ラインのデータを収集し、HMIやウェブインターフェースを通じて中央コントローラに報告します。AMAX-5580にはリアルタイム制御のために、CODESYS RTEソフトウェアがインストールされており、アドバンテックは付加価値ソフトウェアも提供しています。また、AMAX-5000 EtherCATスライスI/Oシリーズ(AMAX-5001、AMAX-5052、AMAX-5056)を使用して、リモートI/Oの拡張が可能です。
導入製品

アドバンテックが選ばれる理由
アドバンテックは、CODESYS(IEC-61131-3規格のソフトロジック)の導入を支援するため、必要なトレーニングを提供しました。また、顧客がソリューションをテストできるように迅速にサンプルを提供し、専用のCODESYSトレーニングコースも実施しました。AMAX-5580は、シンプルなインストール手順を提供し、プッシュイン端子設計や簡単なスライドイン機構、部品のアップグレードが可能な前面アクセスにより、メンテナンスも非常に簡便です。さらに、AMAX-5580は、将来予定されている光学ビジョン検査システムのアップグレードに備え、産業用カメラに対応するPoE/USB 3.0インターフェースを備えており、拡張に向けたロードマップも提供しています。
メリット:
- 世界No.1の産業用PC(IPC)メーカーとして、グローバルなサポートネットワークを提供
- コンパクトな設計で、他のオートメーションコンポーネント用のスペースを確保
- インストールが簡単で、メンテナンスも手軽に行える設計
- オートメーションコンポーネントを一括で購入できるワンストップ提供
- CODESYSに関するトレーニングと迅速なサポートを提供
- トータルコントロールソリューションにより、コストを大幅に削減