電気自動車(EV)用モータおよび制御システムテスト
2024/10/08
プロジェクト概要
電動モータは、新世代の電気自動車(EV)の主要なコンポーネントであり、車両の基本性能に大きな影響を与えます。従来の内燃機関や発電機に代わり、主駆動メカニズムとして機能するこのモータは、登坂能力、加速性能、最大速度といった重要な性能指標に大きな影響を与えます。これにより、車両の動的性能、効率性、快適性が直接的に左右されます。さらに、近年注目される平角線モータや複数モータを用いた分散駆動システムなどの革新的技術により、EVは横方向の移動やその場での旋回、水上でのドリフト走行、単輪タイヤのパンク時の保護など、従来の技術では実現できなかった高度な機能を備えることが可能となりました。
システム要件
モータコントロールテストシステムの要件:
- ひずみゲージを用いたトルクセンサー信号の測定
- モータエンコーダの出力を周波数ユニットに接続し、回転速度を測定
- アナログユニットと差動プローブを使用して三相インバータの電圧を測定
- 電流ユニットおよび電流センサを使用した三相電流の測定
- 高速波形処理を用いてモータ出力、効率、インバータ出力電力を計算
- X-Y範囲を指定し、モータ波形を表示
導入製品
- AMAX-5580:Intel® Core™ i7/i5/Celeron®プロセッサ対応のEtherCATスライスIO拡張機能付きコントロールIPC
- iDAQ-964:AMAX-5000シリーズ用4スロット産業用DAQシャーシモジュール
- iDAQ-801:256kS/s/ch、24ビット、4チャンネルiDAQモジュール(音響・振動測定用)
- iDAQ-841:8チャンネル、16ビット、1MS/s/chアナログ入力iDAQモジュール
- DAQNavi:DAQNavi - DAQデバイスのエッジインテリジェンスを実現するデータ収集ソフトウェア
システム概要
本システムは、アドバンテックのモジュール式DAQ(データ取得)ソリューション「iDAQシリーズ」を採用しています。iDAQシリーズは多彩なI/Oモジュールを提供しており、例えば、iDAQ-801は振動測定に最適な24ビット高解像度動的信号取得モジュールです。また、iDAQ-841は1 MS/sの超高速サンプリングレートを実現し、トランスミッションの運転パラメータを完全にキャプチャします。さらに、AMAX-5580とiDAQ-964を組み合わせることで、ギアボックスの負荷やシフト操作などの制御パラメータも出力可能です。このシステムは、精密なデータ取得とコントロール機能を提供し、業務の効率化と高精度な分析を実現します。 また、DAQNavi/SDK構成ソフトウェアを活用することで、システム全体の操作をリアルタイムでモニタリングし、データロギングを行うことができます。万が一、故障が発生した場合には、自動アラームと解析機能が作動し、迅速な対応をサポートします。
システム構成図

まとめ
電気自動車において、モータは加速性能、登坂能力、速度などの重要な性能指標に大きな影響を与えます。フラットワイヤーモータや分散駆動システムなどの革新技術により、横移動や単輪タイヤのバースト保護などの新たな機能が強化されています。アドバンテックのモジュール型iDAQシリーズは、振動測定に特化したiDAQ-801や高速サンプリングを実現するiDAQ-841を搭載しており、精度の高いデータ取得を提供します。さらに、AMAX-5580とiDAQ-964を組み合わせることで、ギアボックスの負荷やシフト操作などに必要な制御パラメータを出力できます。DAQNavi/SDKソフトウェアを活用することで、システム全体のリアルタイム監視や自動故障解析をサポートし、効率的な運用を実現します。