ヨーロッパでのフリート管理事例（車載ファンレスシステム、ARK-2121V）
2020/11/30
国連世界観光機関（UNWTO）によれば、ヨーロッパ内の外国人観光客は、2019年では約7億4,430万人に上り、全体で51％もの割合を占めています。それに伴い、ヨーロッパ諸国を横断できる道路や鉄道などの交通機関が開発されています。こうした「ヒトの移動」が増加することで、バスのフリート管理(Fleet Management、社用車の運行・管理を行うこと)や、インフォテインメント、リモート監視といった機能を交通機関に搭載して欲しいとの声に応えようとするビジネスが盛んに行われるようになりました。このようなビジネスを実現するには、ワイヤレスサービスやエンターテインメントを安定して乗客へ提供すると同時に、フリート管理を効果的に行う信頼性の高い車載システムが必要です。そこで役立つのが、アドバンテックの車載ファンレスシステムである「ARK-2121V」です。ARK-2121Vは、堅牢な設計が特長のコンパクトな車載向けファンレスPCで、フリート管理や、インフォテインメントシステムなどへのマルチ接続をサポートいたします。
要件
当事例でのお客様は、ヨーロッパ諸国を横断する有数なバス会社でした。この会社では、自社の車載システムを最新ソリューションへと変更することを計画していましたが、過酷な環境下でも動作可能で、頑丈かつ信頼性の高く、そして世界的ブランドのデバイスを求めていました。また、リアルタイムでの車両監視・追跡や、インフォテイメントを可能にするため、オンボードコントローラーには、国境を越えたワイヤレス接続が可能なデュアル4G LTE SIMカード、さらに、この車載システムを適切に運用し、コストを削減できる、リモートデバイス監視機能も必要でした。
ソリューション
こうして選ばれたのが、アドバンテックの車載ファンレスシステムである「ARK-2121V」です。ARK-2121Vは、E-MarkやISO-7637-2などの車載グレードである電力認証を持ち、安定した動作を保証いたします。また、Intel Atom®プロセッサを搭載しており、ビデオ監視や、フリート管理、インフォテインメントを簡単に行える、拡張性能が高く、費用対効果の高いソリューションです。4GLTEモジュール・Wi-FiモジュールにSIMカードホルダーを搭載した2x mini-PCIeスロットを介し、ワイヤレスネットワークを安定して接続できます。さらに、この2x mini-PCIeスロットは、CAN-Bus向けに設計されており、このスロットを使用することで車両内のデバイス状態をチェックすることができます。さらにロック可能な2画面独立表示で、インフォテイメント情報を乗客へ提供、また、4 PoEカメラによって、危険を察知し事故を未然に防ぎ、安全性を向上させます。
また、ARK-2121Vは、幅広い動作温度（-30〜70°C）に対応、さらに強い防振・耐衝撃性を特長としています（IEC-60721-3-5 5M3準拠）。また、アドバンテック独自のデバイス管理ソフトウェアであるWISE-DeviceOnを搭載しており、リモートで監視・管理をすることが可能です。また、リモート車両診断・分析とシステム修復を同時に実行することが可能です。
このように、アドバンテックのARK-2121Vは、ヨーロッパ諸国を横断するバスのフリート管理をより効果的・効率的に、そしてより安心して行えるようになったのです。
ARK-2121V 主な特長
- Intel® Atom E3825 デュアルコア 1.33 GHz & E3845 クアッドコア 1.91 GHz SoC
- 4x PoE ポート、 メインストリームIPカメラをサポート
- 絶縁COMポートおよびDIO
- 4G LTEモジュールとWi-Fiモジュールの両方に対応した2つのSIMカードホルダー
- 広範囲な動作温度(-40 ~ 70° C)
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