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アドバンテックのIoTゲートウェイ、YESエナジー社の 24時間無人EV充電サービスの実現に貢献

2022/09/01

パリ協定で定められた長期的な気温目標・CO2排出量の削減目標を達成するため、台湾では、個人・企業・政府機関で、カーボンニュートラルな施策が開始されています。交通部交通局(MOTC)の調査によると、台湾の温室効果ガス排出量のうち、13%は交通機関によるものとされ、そのうち97%は、陸上輸送によるものとされています。台湾では、自動車ではなく、電気自動車(EV)やEV充電産業の発展を促進しています。

電気自動車サービスをワンストップのビジネスモデルで

YES Energy Service Co., Ltd.(以下、YES Energy社)のEV充電サービス部門のAssociate ManagerであるBou-tang Wang氏は以下のように述べています。「現在、EVスクーターの購入者と充電ステーションのオーナーやオペレーターへのみ補助金が適用されています。YES Energyは、2010年に設立された台湾初のEV充電サービス企業ですが、それ以前には、EV市場はほとんど存在しませんでした。成功していたビジネスモデルがない中、試行錯誤を繰り返し、ワンストップで提供できるビジネスモデルを作り上げました。このモデルは、充電設備からの販売・充電パイルの設置・充電ステーションの建設・自動車オーナーのスマホアプリ開発・バックエンドの24時間管理ソリューションで構成されています。また、オーナーには、このステーション管理サービスを提供し、手間のかからない事業運営を実現しています」。

電気自動車は、一般的な自動車とは異なり、充電を必要とします。そのため、こうした自動車を販売する上で「充電」は重要な要素です。YES Energy社とアドバンテックは、台湾の自動車メーカーに選ばれ、100基以上の充電ステーションを担当することになりました。これにより、自動車メーカーは充電ステーションの建設や管理から解放され、eスクーターや電気自動車の開発に専念できるようになりました。現在、YES Energy社は、ある充電ステーション企業が60基のスクーターステーションを設置するベンチマークを達成するための支援を行う予定です。

産業用途に特化したIoTゲートウェイとアプリケーション開発支援

各充電ステーションには、複数の充電パイルと設備用キャビネットが設置されました。さらに、YES Energy社は、ワンストップでの24時間無人EV充電サービスを実現するため、産業用ゲートウェイをシステム内に加えました。このゲートウェイと充電スタンドを接続することで、充電完了時間や充電スタンドの空き状況のリアルタイムでの観察や、モバイル決済のための安全でシームレスな接続を実現します。

「アドバンテック社は、組込みデバイスのリーディング・カンパニーとして、過酷な環境かつ激しい温度変化に耐える堅牢で、長年にわたり高い評価を得ている産業用製品を提供している」とWang氏は述べています。

アドバンテックは、IoTゲートウェイ「EPC-R3220」を提案しました。このIoTゲートウェイは、オンボードの無線モジュールを使用して、多様なネットワーク接続をサポートしています。また、ケーブル接続用のデュアルLANや、LTEモジュール拡張用のmini PCIeもサポートしています。EPC-R3220は、TIのSitara AM3352 Cortex-A8プロセッサを搭載しており、省電力なファンレス設計を実現しています。さらに、広い動作温度(-20~70℃)と入力電源設計は、IEC準拠のESD保護を組み合せています。これにより、充電中の過電圧・過電流・温度上昇など、充電ステーションの重要な環境や操作上の問題からシステムを保護するための完璧なソリューションとなります。また、コンパクト設計のため、設備用キャビネットに簡単に収めることができます。

アドバンテックは、ハードウェアに加え、システムインテグレーションやソフトウェア開発に関する技術コンサルを行いました。その中でも、AIM-Linuxソフトウェアサービスは、高度に統合され検証されたソースコードを使用した産業界に特化したサービスです。また、柔軟でモジュール化されたフレームワークとボードサポートパッケージ(BSP)を提供しています。AIM-Linuxソフトウェアサービスにより、YES Energy社は、Armベースのプラットフォーム上でアップグレード可能なアプリケーションを迅速に開発することができました。さらに、統一されたYocto OS環境に基づいて、従来使用していたモデル「UBC-222」から「EPC-R3220」に移行することも可能です。AIM-Linuxは、充電池とゲートウェイ間のデータ伝送のためのMODBUSプロトコルもサポート、さらに、リモートログイン・管理にSSH(Secure Shell Protocol)アプリを使用することで、ゲートウェイへの安全なアクセスや、不正アクセスの防止、充電サービスの完全性の維持を実現しています。

すべての駐車場へ充電スペースに設置

台湾では、2019年からEVの普及が進んでいます。地主・駐車場経営者・ショッピングモール経営者など、多くの方が充電ステーションを求めてYES Energy社にアプローチしています。EV生産者やその関連産業は、政府からの補助金を期待しています。EV充電パイルは駐車スペースと電気が利用できる場所であればどこでも設置可能です。Wang氏は、YES Energy社が全駐車場への充電スペース設置を目標としています。

BloombergNEFによるEV Outlookの記事によると、2040年までに充電ネットワークをすべての場所で3億900万台以上に拡大する必要があるとのことです。YES Energy社は、今後新たなプロジェクトを数多く立ち上げることを想定しており、アドバンテックには、「ハードウェアの革新」と「ラインアップの拡大」を期待しています。また、アドバンテックの優れたグローバル戦略とローカル市場への献身的な取り組みを高く評価しており、今後のグローバル市場での活躍に期待しています。 

EPC-R3220 主な特徴

EPC-R3220

EPC-R3220

  • TI Sitara AM3352、オンボード1GB DDR / 8GB eMMC 
  • 2 x RS232 / 485、6 x GPIO、1 x USB 
  • 3×プログラマブルLED 
  • TPM2.0セキュリティ対応 
  • OS:Yocto Linux 
  • ウォールマウント/ DINレール 
  • 12〜24VDC / -20〜70℃