歯科用X線検査装置への小型ボード組込み事例(シングルボードコンピュータMIO-2361)
2021/03/18

イントロダクション
近年、人々は虫歯、歯周病などの口腔ケアへの意識が高まっており、これに伴い歯科医へ求めるニーズが治療から予防へと変化が生じてきています。この傾向を受け、歯科医院では人々のニーズに応えるためにX線装置やその他の検査機器のアップグレードなどに投資をするようになりました。特に、X線装置は医療機関には必ずあると言っていいほどキーとなる医療機器のひとつで、昨今、医療機器メーカにておいては、強い関心がある装置となっています。
システム要件
X線装置表示部の小型化が求められていたため、表示部ユニット(25.4 cm (10 in)) に収まる、コンパクトでスリムなシングルボードコンピュータ(SBC)、かつファンレスの低消費電力仕様、さらには以下のようなインターフェースと拡張機能を備えていることが必須要件でした。- LAN x2
- UART、GPIO
- M.2 E-key(Wi-Fi、Bluetoothなどの拡張用)
- カメラI/F
- mSATA(ストレージ拡張用)
ソリューションの説明
MIO-2361(2.5” Pico-ITX SBC)は、LPDDR4メモリとeMMCストレージを直接ボードに実装しているためコンパクト、かつスリムを実現しており、X線装置表示部の小型化に貢献することができました。この小型化により表示部をフレキシブルに動かすことができ、従来は難しかった角度から患者の撮影が可能となりました。
また、MIO-2361に内蔵カメラを接続することで、診療中の映像をHDMIでリアルタイムに医師に見せることができました。歯の画像や患者情報は、LANやWi-Fiを介してサーバーに瞬時に転送できます。診察カードをスキャンした際の情報の機密性についてはTPMやRFID技術を活用し、機密性を保持することが可能となりました。
表示部は小型化と静音化を実現するためにファンレスが必須要件です。MIO-2361はファンレス仕様で、かつ幅広い動作温度(-40~85℃)をサポートしています。
MIO-2361は、X線装置表示部の小型化と静音化を実現するための様々なシステム要件を満たすことができました。
シングルボードコンピューターMIO-2361
主要機能
- スモールサイズフォームファクタ 2.5” Pico-ITX (100 x 72 mm)
- Intel Atom® E3900 シリーズサポート(-40~85 ℃)
- オンボードメモリ、ストレージ( LPDDR4-2400 4GB、eMMC(Max 64GB)
- TPM 2.0サポート
- 豊富なI/O(2 x GbE、16 bit GPIO、,4 x USB、2 x COM)
- 拡張スロット(mSATA、M.2 E-key)
- デュアルディスプレイ(LVDS and HDMI)
