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交通モニタリング事例(エッジAI 推論システムAIR-200)

2020/10/14

イントロダクション

人口密度が増加するにつれ、多くの方が利用する交通機関やその安全性は非常に重要です。 こうした状況から交通モニタリング(road site monitoring)で用いる路上カメラが年々増加しており、県や政府では、この写真やビデオデータをAIによる準リアルタイムなデータ分析を行うことで、貴重な「データ駆動型な洞察(data-driven insights)」を得ています。このように、交通機関のさらなる安全・車両混雑・事故減少に向け、データに基づいた意思決定を行うことが可能となるのです。

課題

当事例のお客様は、ナンバープレート認識、車両の分類・カウント、歩行者の検出など、交通モニタリング(監視)用途で高精度AIを採用したいと考えていました。 現行のルールベースな交通モニタリングシステムでは、変則的な歩行者の行動や、微妙に異なる色の車両など、「ルールで定義するのが難しいもの」を認識するのに苦労していました。また、こうしたコンピュータービジョン(computer vision)技術を用いる上でさらなる課題を抱えていました。それは、「光の状態とその指定入力形式(environmental light conditions and specified input formats)」でした。 例えば、入力した光の状態やその入射角が変化した場合、現行のシステムでは認識しきれない可能性があったのです。 さらに、こうした画像を処理可能なビデオストリーミング性能、さらに幅広い動作温度対応、リアルタイムでAI推論可能なファンレスなソリューションが求められていました。

ソリューション

アドバンテックのエッジAI推論システム、AIR-200は、上記の要件をクリアしていました。 AIR-200は、ルールベースでのコンピュータービジョンアルゴリズムではなく、AIを用いた推論エンジンを活用しています。つまり、「行動とニュアンス(behavior and nuance)」の違いを認識することができるのです。

AIR-200内でのAI推論は、クラウド経由ではなくローカルで実行されているため、リアルタイムでのデータ分析が可能となります。また、AIR-200に内蔵された2x Intel Movidius Myriad X VPU搭載エッジAI加速モジュール、VEGA-320/330によってローレイテンシー・低消費電力によるAI推論を実現しました。VEGA-320/330がシステム内負荷を最適化し推論機能を向上させます(図1)。

図1. ナンバープレート認識性能(AIR-200)

VEGA-320/330が車両分類やナンバープレート認識を行うタスクを処理する一方で、AIR-200は車両数のカウントおよび分析結果の報告を行い、交通管理・制御・監視、渋滞予測、運用操作を行います。また、 AIR-200は4CH入力、1080p/120fpsビデオのエンコードとデコード、IPカメラからキャプチャしたストリームビデオデータを正確に検出・記録・処理、AI推論によって年中無休フル稼働でデータ記録を行います。 また、AIR-200は-20〜60°Cの動作温度範囲に対応しています。さらに、Edge AI Suite(最適化されたアドバンテックのGUI インターフェースIntel® OpenVINO™標準添付ソフトウェア)が統合されているため、独自の事前学習済AIモデルでも簡単にインポートし推論を実行することで、システム状態をリアルタイムで監視することができます。

システム詳細

主な特長
  • 2x Myriad X VPU搭載の強力なIntel®Core™i5プロセッサ 
  • 複数I/Oポート&ファンレスで頑丈な設計
  • 最大1080p/120fpsのビデオエンコード・デコード 
  • EdgeAISuiteとIntel® OpenVINO™ツールキットがプリロード