廃棄物リサイクル業界向けAIロボット制御システム
2026/03/04
プロジェクト紹介
各国の政府や産業界では、リサイクル基準の高度化が進んでいます。大量に集められる廃棄物は、ボトルキャップのような小型軽量物から、紙・プラスチック・金属といった複合素材まで、精密な素材選別が求められます。家庭から排出される有害物質に対しても、適切な選別が必要です。正確な廃棄物の分類と分別によって、焼却設備を長持ちさせるとともに、資源の再利用、温室効果ガス排出の抑制が可能になります。加えて、年間数十億ドル相当のリサイクル可能素材が未回収のまま放置されています。このような背景から、環境への影響を最小化する取り組みは、政府や産業界にとって重要な課題となっています。
リサイクル業界では、厳しい現場環境に耐え、高精度で素材を自動識別できる産業グレードAIの需要が高まっています。本記事では、リサイクルラインで特定材料の自動判別を可能にする最新のAI導入事例をご紹介します。
システム要件
リサイクル施設のエンドユーザーは、ガラス・プラスチック・缶など多様な素材をリサイクルライン上で自動的に識別・分類できるAIソリューションを求めていました。回収されたリサイクル素材はセンターに搬入され、機械で選別された後コンテナに投入され、最終処理地点へ運ばれます。AIソリューションの検討段階で、エンドユーザーは弊社のチャネルパートナーと接点を持っており、導入環境は整っていました。
ユーザーは、物体の識別・分類能力を高速化しリサイクル性能を向上させる新たなソリューションを検討しており、従来の性能不足な商用ハードウェアに代わる産業用AIソリューションを求めていました。新しいAIソリューションには、現場処理に対応できる高性能な処理能力が不可欠です。アドバンテックの「MIC-770」と「MIC-75G20」の組み合わせは、ユーザーの高度なエッジコンピューティング要件を満たす最適な選択となります。
エンドユーザーは、GPUカード1枚と4ポートPoEカード2枚(合計8台のカメラ対応)を搭載できる高性能プロセッサシステムを求めており、さらにリサイクル工場のような産業用途の過酷な環境でも安定稼働するハードウェアが必要でした。
システム概要
MIC-770とMIC-75G20は、第9世代インテル® CPUと高性能なNVIDIA® GPUカードを搭載しています。これらを組み合わせることで、最小型のIPCを実現し、エッジ側での映像AI要件を完全に満たすことができます。MIC-75G20はGPU拡張モジュールで、高性能GPUカード1枚と4ポートPoEフレームグラバーカード1枚を搭載でき、最大4台のPoEカメラと接続可能です。さらにMIC-770に4ポートPoE FIOモジュールを追加することで、8台のカメラから大量の動画データを取得できるようになりました。
高性能GPUカードにより、大量の画像データが取得・処理され、ユーザーのAIモデルによって対象物の識別と分類が可能になります。その後、拡張スロットモジュールとして機能するコンパクトなボックス型コンピュータであるMIC-770を介して、指示がメインコントローラに伝達されます。指示はロボットアームに送られ、対象物を正確に取り上げて指定エリアに配置する動作を実行します。これらの動作は瞬時に行われ、システムは1分間に80点以上の処理が可能です。
導入製品
採用されたハードウェア構成は、MIC-7700Q、MIC-75G20、NVIDIA® GPUカード、PCIe-1674+4ポートPoEアドバンスFIOです。エンドユーザーは、高性能な処理能力を持ち、1枚のGPUカードと8台のPoEカメラを接続できるシステムを求めていました。弊社のMIC-7000シリーズPCは、高性能な処理能力、豊富なI/Oインターフェイス、さらにi-Modulesによる柔軟な拡張性により、これらの要件を十分に満たしています。
システム構成図
主な特長
- 高性能システム
- 振動を伴う過酷な作業環境対応
- GPUと拡張カード搭載
- 短納期対応
- 充実した技術サポート体制
まとめ
アドバンテックは、必要なハードウェアを自社在庫として保有しており、チャネルパートナーとの連携により、エンドユーザー向けのソリューションバンドルを迅速に構築しています。この体制により、短期間での導入と運用が可能です。さらに、迅速なメンテナンス対応を可能にするため、予備部品もあらかじめご用意しています。弊社のAI自動化ソリューションを導入いただくことで、リサイクル工程全体の処理精度と作業効率が向上し、業務の最適化に貢献します。また、産業グレードの堅牢な製品設計により、過酷な環境下でも安定して動作するため、安心してご利用いただけます。