信頼性の高い通信システムによる変電所オートメーションの実現
8/05/2023

背景
電力変電所における監視制御およびデータ取得(SCADA)システムの最も重要な要素の一つが通信システムです。近年では、無人化やデジタル変電所への移行が進んでおり、これらは世界中の電力網においてますます重要な役割を果たしています。そのため、変電所の通信システムの安定性と信頼性を確保することが、プロジェクトの成功において極めて重要な要素となります。
システム要件
EVNSPC社は、ベトナム南部に位置する電力網運営企業であり、変電所の自動化を実現するソリューションの導入を目指しています。この取り組みにより、変電所の運用はより効率的かつ信頼性の高いものとなり、運用価値の向上が期待されます。
- 変電所には、内部のシステム間で情報を伝送するための通信システムが必要です。また、この通信システムには、制御センターや配電センターなどの外部機関との通信機能も求められます。
- 変電所は重要なインフラと見なされているため、通信システムには高いネットワーク可用性を保証するための厳格な要件が課されます。システムには冗長化機能が備えられており、ダウンタイムを防ぐ設計が求められます。
- コスト効率の高いネットワークアーキテクチャでは、各インテリジェント電子機器(IED)をイーサネットスイッチに接続する方式が採用されます。この構成では、各スイッチに高密度のポートが必要となり、効率的な接続と管理が可能になります。
- 世界的に標準化が進むIED(インテリジェント電子機器)通信に対応するため、このシステムは国際規格であるIEC 61850およびIEEE 1613に準拠して構築されます。
導入製品
- EKI-9226G-20FOI:IEC61850-3 20G SFP + 6GEマネージド・イーサネットスイッチ
システムの概要
お客様の変電所にある各デバイスは、SCADAシステムの通信環境に統合されます。これには、リモート端末装置(RTU)、ベイコントロールユニット(BCU)、保護リレー、多機能メータ、タイムサーバなどの機器が含まれます。これらの接続は、アドバンテックのEKI-9226Gマネージド・イーサネットスイッチを通じて実現されます。 このスイッチは、変電所および高電圧環境に適したIEC 61850-3/IEEE 1613認証を取得しており、過酷な環境下でも耐久性があり、電磁干渉にも強い設計となっています。また、さまざまな周辺機器との接続にも対応しています。 変電所内の各IEDは、光ファイバーおよび銅線を使用してスイッチに接続され、複数のスイッチからの接続は制御ベイにある1台のスイッチに集約されます。このスイッチは、HMI、ゲートウェイ、プリンターなどの端末機器に接続され、さらにルーターやファイアウォールを介して、外部の制御センターや運用センターとの通信も可能になります。 システムは、アドバンテック独自の技術「X-Ring Pro」により冗長性を確保しています。これにより、各スイッチは制御ベイのスイッチと相互接続され、万が一接続が途絶えた場合でも、システムは迅速に復旧します。 全体として、EKI-9226Gは、収集されたデータを制御コンピュータへ安定的かつ継続的に送信するための信頼性の高い接続を提供します。
システム構成図

アドバンテックが選ばれる理由
- EKI-9226Gマネージド・イーサネットスイッチは、高密度ポートと優れた柔軟性により、本システムに最適です。20 GbE SFPポートと6 GbE RJ-45 ポートを備えており、さまざまな接続ニーズに対応可能です。
- EKI-9226Gは、変電所に適した電圧範囲(90~264V AC、88~370V DC、または48V DC)で冗長電源を提供します。
- このスイッチは、-40℃~85℃の広範囲な温度環境で動作可能であり、過酷な環境下でも高い信頼性を維持します。さらに、変電所特有の強い電磁波干渉にも耐性があり、安定した通信を確保するための重要な要素となっています。
- 冗長性の確保には、アドバンテック独自のX-Ring Proシステムを採用しており、ポート故障が発生しても20ms未満で回復するネットワークトポロジーを提供します。
- インストールと設定は迅速かつ容易に行うことができ、柔軟性にも優れています。